中身は、新しい解釈の人魚姫。あるいは、海版「
となりのトトロ」。
「
1000年女王
」というのも頭に浮かんだが、そういうことを知るとつけあがるキチガイがいそうだな。
切なさや哀しさとは無縁。主人公のソウスケは常に優しく、ポニョは常に積極的。共に聡明なので、見ていてイラつくシーンは一切ない。が、その分とんとんと進みすぎ展開にタメがなく、淡々として見える。 それで終わりかよとか、ポニョの父親役は中途半端だなとか、すべてのキャラクターの設定が相変わらず意味なく複雑で、ソウスケが母親を名前で呼んでいる理由などいろいろひっかかる要素を抱えたつくりは普通に考えたら邪魔なのだが、たいていの童話のつくりが一筋縄ではいかないものを内含していることを考えれば別にそうおかしなことではないのかもしれない。
話は呆気ない内容なのだが、しかし、そうしたことを批判する批評は本質が見えていないのだろう。見終わった後には爽快感が残り、みなポジティブに上を向いて歩いて帰る。明るい気分が持続する。そんな映画なのだから、やはり素晴らしいのだろう。そうした観賞後の気分を抜きにして作品の出来を非難する批評があれば、映画を見る感動とほど遠いところにいる人なのだろう。クレバーかもしれないが、冷たすぎる。そんな人物は、信頼しないほうがよい。作品の評価としては当たっているのかもしれないが、しかし、映画はその上っ面だけを評価するものではない。見たあとに観客にどういう化学反応が起こるのか、それを抜きにした批評は感想よりも役に立たないものだろう。 たとえばこんなのね → 激映画批評 「 崖の上のポニョ 」 | 映画批評なら映画ジャッジ! この映画を点数化するのは、無理。それを無理にすることに対してなんのためらいも持っていない点で、論評の価値なし、だろう。死のイメージよりも寧ろお気楽な前向きさかげん、無理やりなチアアップだと批判するならまだわかるが。養護施設の老人たちがみな車椅子いらずになっているのに、死のイメージがどうこうというのはオカシイと思うんだけど。前田氏の批評はネットで皆がいうほど酷いとは思わないが、どうも決めうちが多すぎるんだよな。なお、声優に関しては、所ジョージは今回正直邪魔。彼が悪いのではなくて、説明的なせりふが多すぎるせいですが。それもキャラづけのためなんだろうけど。ほかは悪くないですよ。
なお観客動員が少なくても、それが作品価値の低さには直結しない。なにせ皆が知り見ているはずの「 となりのトトロ 」はジブリ系作品のなかで最低の興行成績だったのだから(配収5.88億円。「ラピュタ」配収5.83億円よりわずかに上だが、「火垂るの墓」との二本立てだったため一本あたりの興行収入(当時の発表は配給収入)は「ラピュタ」の半分。なおジブリ以降では最低は「ホーホケキョ となりの山田くん」の配収7.9億円の様子。なお配収は2倍するとおよその興収になります。) 宮崎駿監督作品の興行成績はこちら。
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崖の上のポニョ
別のところで書いた記事: 「となりのトトロ」は名作扱いで、みんな見ているものとされている作品だが、 公開時の興行成績はジブリ系としては「ラピュタ」と並ぶ最低水準、 「火垂るの墓」と2本立てだったので実質、もっとも観客の入らなかったジブリ系アニメ、 である。ま、「カリオストロ」「 ナウシカ」「ラピュタ」からの流れを考えたら異質も異質なので仕方がなかったが、 「トトロ」のおかげでその後のジブリの路線がある。テレビ局と組みスポンサーをつけるという 策略もその反省からのようだ。 というわけで、「ポニョ」を見にいってきます。←あんまり混んでなさそう(!)なので初日にチケットとってみた。 入りが悪かったら、「花男」の入りがすごい云々なんて話すっとぶくらい映画界消沈しますけど大丈夫かねぇ。あれだけ耳にこびりつくテーマソングがしょっちゅうかかってりゃ大丈夫なんじゃないかと思うんだけど、案外満席になってなさそうなんだよなこれが。→で、見てきました。 こんなものを買った。−ムダ遣い日記−: 【映画】「崖の上のポニョ」 55点、なんて点数をつけた前田氏は下品→ 激映画批評 「 崖の上のポニョ 」 | 映画批評なら映画ジャッジ!。まぁ点数化しなきゃいけないと、こういう作品は困っちゃうと思うんだけど、そこを躊躇なくつけちゃうところが、偉いというかやっぱりダメというか。うーん、こんな喧嘩売る批評は、映画として楽しんでないということを暴露しちゃっているので、それはダメだよ。この映画を楽しむだけの度量がない、見る技術がない、と言っているのに等しいから。そもそも、宮崎駿監督はもう隠居する気なのだから、野心作を期待しちゃだめ。プライベートフィルムだと思って接しないとおかしな批評になっちゃう。すくなくとも70点つけてる 「ザ・マジックアワー」より低いってのは、ないと思うんだがなぁ。「 僕の彼女はサイボーグ」を採点不能としているのなら、点数つける必要もないでしょうに。

