基礎知識なく観にいった。なるほど。日本で戦争もの、しかも潜水艦ものをやるとしたら、こういう形か。素晴らしい設定に、実写でも日本人離れした香椎由宇を使い、喋らせず、ボンテージな格好もさせ、と万全。文字で導入する映画が嫌いなので、最初は、ああ、安易な処理だな、と思いながら見ていた。そうした安易さは、諸所で感じた。東京に核を落とす?降伏するっていうのに?アメリカが約束する?まぁ口約束くらいはするか。途中で、出てきたけど存在の意味ない役、多いよね。何もしてない人とか。まぁいいんだけど。全員が役割果たさなきゃいけないってわけではない。
最後のシークエンスはとことん余計。辻褄合わないんだから、ムリに作るな。おかげで、そこにつなげるために、中途半端にアメリカ側に視点を振らなきゃいけなくなっているし。そこで別に見事な着地をするわけでもないんだから。腕時計を使って何となく匂わせても、でもあの作家がそういうことなら、じゃあ何のために取材している?思わせぶりだけど、むしろ台無し。
一方で、ローレライの設定、それと、全員一丸という手段をとらないのはユニーク。後者など、戦争ものとしてありえない。日本じゃないとなかなか作れない荒唐無稽な映画。素晴らしい。日本で作った意味があったと思う。
実際、身を乗り出して見たし、感動もした。なお、そんな自分をバカだと思う客観的な自分もいる。
絵の説得力はあったので、日本の映画としてはかなり頑張っていたのでは。役所広司が艦長だからこそ、絵が持った。いい役者は多く出てはいるが、ほかの面子じゃ正直画面が持たない。國村準と堤真一くらいかな、映画として成立させられるのは。なので、ピエール瀧を起用して、めいっぱい重要な役割ふった理由もよくわかる。瀧がいないと作品が成立しないのだが、それだけの存在感、あるもの。若手は若手で、これはあっていたと思う。佐藤隆太の役柄としての存在意義は不明だが。あれはないだろ、あれは・・・
でも全体として満足。よくできてたと思いますよ。
ローレライ⇒公式サイト
原作=終戦のローレライ
⇒映画レビューの収集なら「シネマの実」
※私はこの作品、どっちかというと、評価してるんですが。ローレライの設定、潜水艦ものなのに離脱者が多数いることの2点で、戦争が身近な国では作れない映画だと思うので。
⇒踊る芝居好きのダメ人間日記さんに小説を読んでとの見比べ感想が。読んでいない私には非常に面白かった。
で、いつも思っているんですが。所詮2時間でこぼこの容量にすぎない映画に情報はたいして詰め込めません。長時間大作映画というのも私はあまり興味が・・・(とはいえ「さらばわが愛」なんかは素直にすごいなと思いましたが)
映画はやはり、長編原作を縮めようとするよりも、短編をどうブローアップしていくか、という発想のほうが楽しめるし尺にみあうと思う。ヒッチコック的映画作術ですな。だって、原作好きで見た人が自分の好きなシーンなかったら、それはがっかりでしょ?勿論短編の世界観を崩されることもあるわけだが、もともと短編のファンはそうはいない。だからこそ、原作の力を利用しようとする映画にはなかなか使われないのだが。作品の質を問うなら、小説原作は短編に限る、と思う。

映画と小説の比較が面白かったようで何よりです。
長編原作を映画化して褒められた試しってほとん
どないですよね。特に邦画は無茶ですね。そうい
う意味で、今後控えている亡国のイージスの映画
化の行方も気になりますね。
原作読んだひとは「イージス」のほうが楽しみだと言いますが。
私はモーニングのマンガ読んで、これはちょっと不安、と思っております。