角川の特撮シリーズはキャラクターや設定に引きずられて無残な作品が多い、ようなそうでないような。作りこみが足りないままの見切り発車、こんなもんでいいだろうという雑誌サイドの甘さが透けて見えるようなそうでないような。コンセプトはいいけど、それだけで走るなよと思わないでもないような。そんななか本作品は、1960年代を舞台に、「ウルトラマン」の舞台になったパラレルワールドの世界であって現実そのものではないが、明確に初代の世界ですよ、と示されているので設定がわかりやすい。もしかしたらマニアには「違う」なんてクビ振ってるのがいるかもしれんが、それは寄席で落語全集見ながら「サゲが違う」なんていいだすのとおんなじで。同人誌じゃあないんだから気にしない。それより雰囲気でしょう。
その雰囲気がなかなかあるのが「ウルトラマン THE FIRST」、なぜウルトラマンが生まれることになったのか、そして戦闘のなかでのウルトラマン、というかハヤタ隊員の戸惑いなど出ているのが面白い。でも、そう考えると、主観を廃した実写版ウルトラマンってのは、戦闘の裏側を考えるとかなり高度な代物なのか・・・。いや、そこまで考えてみるガキはいないか。
要所要所で出てくる用語の説明が不自然でないよう一工夫しているのがやっつけ仕事でなくて素敵。おちゃらけのパロディなんです、という方向に逃げていないのが潔い。このシリーズでようやく普通に読める作品に出会った。でも、高田裕三の絵ってこんな感じだったっけ?
【一巻のおわり】ねっ
■2巻メーター
★★★
これなら買ってもいいけどな。
高田裕三(たかだゆうぞう)⇒ファンページ
監修:円谷プロダクション(つぶらやぷろだくしょん)⇒公式サイト
ウルトラマン THE FIRST
掲載=特撮エースNo.001−006
角川書店
KADOKAWA COMICS 特撮A
2005年3月1日 初版発行
定価=580円+税

