68年のオリジナル映画はアカデミー脚本賞を受賞しながら未公開だった。メル・ブルックスの名はその後興行で随分使われたのに代表作は来ないまま。90年代にある人の声を聞き配給が買い付けたが、結局公開は宙ぶらりんになってしまい、私も実は売り込みを受けたクチ。支配人には「面白いよ、というか好きだと思う」と言われ、拝見したビデオは腹抱えて笑ったが、すみませんペイする自信がありませんのでとお断りした経緯がある。よそで公開決まったときは正直ほっとした。 勿論、芝居がブロードウェイで上演され評判となる前で、公開する理由がまるでなかった時期の話である。
で、期待しつつも、いや、たぶんダメなんだろうな、と見た結果は・・・え?面白いじゃない。下品だけど。下ネタ多いよ。こんなに多いの?ブロードウェイ版も。オリジナルもそうだっけ?
いきなりミュージカルで始まり、しかも舞台は現代でないのがとっつきづらい。が、ぽんぽんとテンポよく進む話とギャグとでその辺りがどんどん気にならなくなっていく。
話の内容は、失敗続きの元・名プロデューサーが、会計士の「資金集めて、で経費抑えて失敗作上演してすぐ中止になれば、差額懐に入れられますね。失敗作ほど儲かりますよ」というつぶやきに閃いて、最低の脚本に最低の演出家、最低の俳優で作ればいいんじゃない?と詐欺を行動にうつすブラックコメディ。
ブラックかげんがすごく、演目が「ヒトラーの春」というナチス礼賛もの。ユダヤ人でなきゃ絶対書けないところに手を出し、しかもそれをひねりにひねったのがメル・ブルックスの天才かげん。マジメに書いた脚本家、それで失敗間違いなしと思った製作者、しかし行き着くところまで行ってしまいコメディとして成立してしまうという皮肉。そのステージをきちんと描き、怪作ミュージカルナンバーも作ったのが偉いところ。
更に、ドイツだけでなくフランスもスウェーデンもバカにするわゲイも対象だわ下ネタ連発だわ、しっちゃかめっちゃかである。しかし攻撃するのでなくギャグに仕立てている。下ネタに関しては、小学生かオマエは、というくらい執拗。でも、きわどいシーンは一切なし。ビジュアル面でのコードは極めて厳しく作ってある。でも下品。
話はくどいが、エンディング・ロールでも歌とおまけで楽しませてくれる。買えるのかよ、と思ったら、あるのね。しかしまぁ、
テンションの高さに品の低さ。素晴らしい。ここまで作り込めないよ。
ところで御大も出ているようですが。あー、80歳なのねぇ。まぁアン・バンクロフト亡くなってるわけだしな。
旧版と見比べたいところ。まるで覚えてないんだわ、これが。2本セットで出してくれないかな、DVD・・・→プロデューサーズDVD(映画公式サイトはこちら)

